静岡県浜松市、浜名湖の穏やかな湖畔でマリンスポーツをはじめ、テニスコートやパターゴルフ、プールなどさまざまアクティビティを楽しむことができる東急ハーヴェストクラブ浜名湖。

このホテルには、使われなくなった農地が隣接していました。その土地を整備し、いろいろな体験の場所としてお客様が気軽に散策を楽しめる場所を作ろうとスタッフたちが動き出しました。

始まりは2019年に遡ります。隣接するみかん畑だった農地の所有者が「土地を売りたい」と申し出たことでした。近隣の農地跡地は、ソーラーパネルが多く設置されていく中で、ホテルスタッフはお客様に喜んでいただける場所に利活用できないかと考えたのです。みかん畑を取得し、農地転用を行いました。平地にあったみかんの木は2020年に一部伐採されましたが、斜面地のみかんの木は残すことに。ほぼ荒地のような状態から、平地は芝生の広場として整備されました。斜面地は残ったみかんの木に加え、サクランボやレモン、りんご等の樹木を植えました。また、2021年4月から開墾を行い、一部を畑として耕し、夏野菜やじゃがいも、さつまいもを育て、同7月から宿泊されるお客様に楽しんでいただける場所として提供しています。こうして、使われなくなった農地は『ハーヴェストガーテン』として生まれ変わりました。

2021年から始まったみかん狩りですが、ハーヴェストガーデンにあるみかんは、早生(わせ)という品種で、11月頃に収穫できるみかんです。その時期ホテルに宿泊されるお客様にみかん狩りを楽しんでいただいたり、みかんを丸ごと絞ったみかんジュースや朝食でみかんを提供しています。それだけでなく、みかんの花が咲く5月頃には、みかんの花を摘み、その花びらから天然の香料水(フレグランスウォーター)を抽出するイベントを開催しているのです。

みかん以外の果樹は、まだ小さく収穫できる果実があまりないですが、春には梅の実、サクランボが実り、また、アプリコットやレモン、リンゴなどが小さな木に実ります。それらを観察していただくのも、お客様の楽しみのひとつとなっています。

ハーヴェストガーデンを運営するにあたり、新しい仲間も加入しました。トカラヤギの「うなぎ」です。色が黒いのと、浜名湖の名産からあやかり、「うなぎ」と名付けられたヤギは、宿泊いただいたお客様からとても可愛がられています。あっという間に施設のマスコットとなった「うなぎ」の本業は、ハーヴェストクラブガーデンの草を食べてもらう除草です。また、近隣にお住まいの方が、毎日草を持って遊びに来てくれるなど、地域の方々とのコミュニケーションにも一役買ってくれています。

さらには、ヤギの糞や食べ残しの牧草を自作のコンポストに入れて畑の肥料作りも実施。ハーヴェストガーデンの中で循環することで、環境に優しい施設を目指しているそうです。

芝生の広場においては、スノーピークと提携し、オフサイトミーティングを行う場所として提供しています。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、企業等の研修や会議の場として屋外でのニーズが増えています。そんな中で、芝生の広場にご参加くださった皆さまは、「今日のオフィス」を作るところからスタート。

皆さまで作ったテントで行うミーティングは、自然の中で開放的な気分となることで、いつも以上にアイデア出しや意見交換が活発となり、チームの一体感を深めることができるでしょう。屋外での会議、夕食はBBQ、その後焚火も楽しんでいただき、宿泊はホテルというスタイルは、キャンプに抵抗がある方でも気軽に参加いただいています。ホテルのある東急リゾートタウン浜名湖内で、マリンスポーツやテニスも楽しむことができるため、会議だけでなく社員のみなさまのコミュニケーションをより深めることに繋がるのではないでしょうか。

ハーヴェストクラブガーデンの取り組みは始まったばかりです。今後、ブルーベリーやキウイなどいろいろな植樹にチャレンジをして、一年を通して楽しんでいただける実り豊かなガーデンになることを目指しているそうです。ハーヴェストクラブガーデンでは、今後四季折々の楽しみが増えていくことでしょう。