もりぐらしアクション

スキージャム勝山 道の駅「恐竜渓谷かつやま」と連携し地元農家と野菜を救うSDGsの取り組み実施

スキージャム勝山(福井県勝山市)

1000m級の山々に囲まれ、雪の多い地域である福井県勝山市。そんな気候風土を活かして育てられた地元野菜が豊富に並ぶ道の駅「恐竜渓谷かつやま」は2020年6月にオープンしました。

道の駅「恐竜渓谷かつやま」の野菜販売コーナー

しかし、そんな「恐竜渓谷かつやま」で課題となっていたのが売れ残ってしまう野菜たちです。駅長さんは、「農家さんが出荷してくる農産物の売れ残りや予定収穫量をオーバーした農作物が毎日のように処分されている。農家さんの野菜のロスをどうにかできないか。」という想いを抱えていました。

この取り組みでは売れ残りや規格外のため販売できず処分される生産物に着目

そんな声を聞いたのが、スキージャム勝山(東急リゾーツ&ステイ株式会社)の料理長である森玉雅之氏でした。スキージャム勝山は、ホテルやレストランを併設した西日本最大級のゲレンデです。規格外などの理由により販売できず破棄される野菜を、道の駅「恐竜渓谷かつやま」を通じて生産者の方から市場より安い価格で購入することを提案しました。

スキージャム勝山の厨房スタッフ

その購入した野菜をスキージャム勝山のレストランで提供することで、生産者の方は本来破棄する野菜の販売が可能となります。一方で、レストランは安く仕入れることで下がった原価率を料理に還元し、お客様により美味しい料理の提供が可能となると考えました。

こうして道の駅「恐竜渓谷かつやま」とスキージャム勝山による地元農家と野菜を救う取り組みが始まったのです。

実際の仕入れでは、予めレストランで欲しい商品のリストを道の駅にメールで送り、生産者の方には「前日、前々日に道の駅で販売できなかった野菜」及び「当日収穫したが農協に規格外とされ売れなかった野菜」を持ってきてもらいます。

通常の販売ルートには乗らなかった規格外の野菜たち

そして、スキージャム勝山の担当者が週に1回もしくは2回、道の駅「恐竜渓谷かつやま」に仕入れに向かいます。そこでは、直接生産者の方と話し合いの上、購入量や購入価格を決定して購入。実際野菜の取引価格は通常価格の半額程度になるといいます。

各生産者の方から直接仕入れ交渉をします 
品質チェックも厨房スタッフが自ら実施

取引の際は、道の駅「恐竜渓谷かつやま」に購入価格の10%を手数料として支払い、道の駅のバーコード(レジ清算)を使わせてもらいます。また購入した野菜を取引終了時間まで冷蔵庫にて保存させてもらうなどして、衛生的で風通しの良い取引を実現しています。

道の駅の販売システムを活用

取引には実際に厨房で働く若手スタッフを買いつけに同行させることで、食材の価格に敏感になってもらうと共に、会話の中で生産者の方の想いを直接聞くことで、よりおいしい料理の調理に繋げるなど、スタッフの成長も期待しています。

生産者の方の想いを肌で感じます

スキージャム勝山が購入した食材は、同施設内のバイキング会場に特設ブースとして「地元野菜コーナー」が設けられ、春は「勝山春の香り」、夏は「福井夏野菜まるかじり」、秋は「奥越五穀豊穣」、冬は「豪雪地帯の白山水系」と春夏秋冬ごとにテーマを決められてお客様に提供されます。

地元農家からは「自分たちが手塩にかけて育てた野菜が破棄することなく買い取っていただけると、労力も無駄にならず、またスキージャム勝山という舞台で地元の野菜をPRしていただけることが大変喜ばしい。今後需要があるようならば生産数も増やしたい」との声をいただいているそうです。

この取り組みは、破棄されてしまう地元野菜を救うだけでなく、不安定な収入に起因する「農家の後継者不足」を改善できる可能性も秘めています。

スキージャム勝山は、「本来破棄されてしまう食材を当社が購入することで、農家さんに少しでも安定した収入を実現してもらい、跡継ぎ問題の解消に繋げてもらいたい。レストラン側としては、新鮮でよりおいしい料理をお客様に届けることができる。この取り組みを通して、農家さん、当社、お客様、道の駅のみなさんが幸せになれる状態を目指したい。」と語っています。

交渉を終えて野菜をレストランに運びます

この取り組みによるスキージャムの取引量はごく僅かかもしれません。しかしながら、他の施設やレストランでも同じような取り組みが広まることで、それは大きな力となり、日本の農家の跡継ぎ問題の解消に大きく貢献できるのではないでしょうか。

スキージャム勝山の厨房スタッフと生産者の方々

※撮影のためコックコートを着用しています。

本取り組みが貢献するSDGs

東急リゾーツ&ステイの「もりぐらし」は、森の恵みを生かした多彩なライフスタイルを提案し、お客さまや地域の方々と一体となって、持続可能な環境づくりをめざす取り組みです。お客さま、地域、自然、そして社会に寄り添いながら、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献します。

Information

スキージャム勝山(福井県勝山市)

お問い合わせ
0779-87-6109
ホームページ
https://www.skijam.jp/
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