2023年3月から京都市文化市民局主催で、京都市内の宿泊施設や飲食店などを会場として、京都にゆかりのある若手芸術家等の作品を展示・販売する「ARK(Art Rhizome KYOTO)」が開催されています。
ARKは「邂逅ー紐帯ー開放」をコンセプトに、ギャラリーやアート施設以外で作品の展示や販売を行うことで、若手芸術家等の作品を多くの方に見ていただき、多様な販売機会の創出、また、アート市場の活性化に繋げることを目的としています。
施設と作品とのマッチングや展示の企画等も、京都にゆかりがあることを条件に、公募で選定されたアートコーディネーターが担っているそうです。
そして今回、作品の展示会場として京都府京都市にあるホテルハーヴェスト京都鷹峯がこの企画に参画。こちらのホテルは京都洛北・鷹峯の麓「しょうざんリゾート京都」内に位置し、金閣寺や大徳寺、「悟りの窓」で知られる源光庵など京都屈指の観光エリアにも近く、じっくり京都を散策するのに絶好のロケーションとしても知られています。
実は、ホテルハーヴェスト京都鷹峯がある鷹峯地区は、江戸時代を代表する芸術家 本阿弥光悦が移り住み、京都における芸術・文化の一大拠点、琳派発祥の地としても有名です。そのため、エリア的にも芸術との親和性が高く、芸術支援に貢献できればとの思いから、今回ホテル側が会場提供という形でこの企画に参画することを決めたそうです。
ホテルハーヴェスト京都鷹峯には、京都生まれ・京都育ちの作家 上田要さんの作品が展示されています。
主に鉄と大気を用いた作品を制作している上田要さん。
以下に作品のキャプションをご紹介いたします。
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上田要は、鉄やステンレスといった、公共の中に溶け込み私達の生活を支えている人工的素材と、生命活動において必要不可欠な「空気」を掛け合わせた彫刻作品を制作する。
当たり前のように、いつしか意識の外に置かれる存在を公共性のある場所に再度出現させることは見えざる「力」を体現する。
自然の力はいつしも未知数で、私達の生活を支えている。
しかし、上田の作品は自然が持つ見えない「力」を可視化することで、私達が生きている現在の「美しさ」を表すだろう。
本企画の会場ホテルハーヴェスト京都鷹峯は、花札の丸い山から上る8月(旧暦)の満月の絵札―通称『坊主』のモデルともなった鷹峯に臨んでいる。
上田の作品はその情景の前に鎮座する。
無骨である金属は鏡面として仕上げられ、周りの環境情報を映し出す。
そこには、自然の「力」と「美しさ」が共存する。
私達は、今生きているこの環境を忘れてはいけない。
これからの「当たり前」を形成するための象徴となり得る可能性が上田要の作品には秘められている。
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花札の芒に月のモデルでもある鷹峯の山を背景に、上田要さんの作品をぜひお楽しみください。
【展示期間】
Photo by ヒガシズカ|Shizuka HIGA
東急リゾーツ&ステイの「もりぐらし」は、森の恵みを生かした多彩なライフスタイルを提案し、お客さまや地域の方々と一体となって、持続可能な環境づくりをめざす取り組みです。お客さま、地域、自然、そして社会に寄り添いながら、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献します。