純白で上品な花を咲かせるゴヨウツツジは、那須の魅力のひとつです。その美しさをこれからもずっと多くの人々に楽しんでいただくために、地元ボランティアのみなさんを中心とした保護活動が行われています。
那須高原に位置するマウントジーンズ那須は、ゴヨウツツジの国内最大級の群生地です。春から初夏にかけて、純白の花を咲かせるゴヨウツツジは、別名「シロヤシオ」と呼ばれるツツジ科の落葉樹。上品な佇まいのゴヨウツツジは、秋の紅葉も美しく、那須のシンボルツリーとして多くの人々に愛されています。マウントジーンズ那須では、4つの散策コースをめぐりながら、ゴヨウツツジを間近で見ることができるほか、ゴンドラ山頂付近では、各所に群生するゴヨウツツジと、那須連山の絶景を楽しむことができます。
1年を通じて、私たちの目を楽しませてくれるゴヨウツツジ。およそ3万本が群生するマウントジーンズ那須には、樹齢300年を超える希少な老木も点在しています。実は今、こうして私たちが美しいゴヨウツツジを見ることができるのは、陰ながら尽力された多くの方々の苦労があるからに他なりません。さかのぼること2008年。ゴヨウツツジの群生地内での“立ち枯れ”が大きな問題になりました。立ち枯れとは、外的要因などによって樹木が倒れず、そのまま枯れてしまうことです。原因は、主に森林内の日照不足です。ゴヨウツツジに隣接するモミや広葉樹などの高木が生い茂ることで、日光を遮り、下層の樹木の光合成を妨げてしまうのです。放置しておくと、群生地全体の生死に関わる問題にもなりかねません。
2008年、ゴヨウツツジを立ち枯れから守るため、この地域の国有林を管理する塩那森林管理署がボランティアを募り、第1回目の「保護活動」が始まりました。保護活動には、栃木県県北環境森林事務所、那須町、那須町観光協会、ボランティアと地元住民の方々に加えて、私たち東急リゾーツ&ステイのスタッフも参加。ゴヨウツツジの立ち枯れ防止対策として、ゴヨウツツジを圧迫している周辺のモミや広葉樹などの除伐や枝打ちを行ったほか、枯損木や風倒木の伐倒処理、片付け、歩行に危険な枝の除去をするなどして、散策コースの各所を整備しました。また、展望広場では周辺樹木を整理し、美しい景観が楽しめるよう、眺望の改善を行いました。なお、これら一連の作業の際には、野鳥や野生動物など、生物の多様性にも十分配慮しています。
この保護活動は2008年から、年1回のペースで定期的に実施されています。現在は、「奥那須の森ボランティア協議会」という団体を立ち上げ、この団体が中心となって活動を行っています。ボランティアとして参加する方々はさまざまですが、みなさんこの地を愛する人ばかりです。私たち東急リゾーツ&ステイも、毎回欠かさず参加しています。保護活動に参加されたボランティアのみなさんからは、こんな声が届いています。
このように、マウントジーンズ那須の美しいゴヨウツツジは、自然の力だけで咲き誇っているわけではありません。人が定期的に手入れをすること、保護活動することによって、その美しさが維持できています。私たち東急リゾーツ&ステイはこれからも、ボランティアのみなさんとともに、自然保護活動を積極的に続けていきます。
東急リゾーツ&ステイの「もりぐらし」は、森の恵みを生かした多彩なライフスタイルを提案し、お客さまや地域の方々と一体となって、持続可能な環境づくりをめざす取り組みです。お客さま、地域、自然、そして社会に寄り添いながら、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献します。
栃木県那須町にあるスキー場。初夏は日本最大級のゴヨウツツジ群生地、秋は深紅に染まる那須連山の紅葉、冬は白銀の那須高原が眼下に広がるスキー場としてウィンタースポーツが楽しめます。